超低用量ピルとは?
低用量ピルとの違いは?
避妊できる?
はっきりさせたい疑問を解消
超低用量ピルとは
超低用量ピルは、ホルモンを調整しさまざまなトラブルを解消する薬です。
日本では月経に関するつらい症状を解消するために処方されますが、海外では避妊目的でも販売されています。
女性の一生に大きく関わる女性ホルモンは、ほんの少量でも影響力は強大です。
そんな女性ホルモンを薬の力で整え、暮らしやすくするのが超低用量ピルです。
超低用量ピルの効果
超低用量ピルには、主に5つの効果があります。
1.避妊効果(海外製品のみ)
2.生理不順の改善
3.生理痛の改善
4.肌荒れ(ニキビ)の改善
5.多毛症(体毛が濃くなること)の改善
それぞれの効果について、詳しく見ていきましょう。
避妊効果
海外製品の超低用量ピルには、避妊効果があります。
女性ホルモンを人工的に摂取することで、偽の妊娠状態を作ります。
それによって本当の妊娠を防ぐことが可能です。
ちなみに日本の超低用量ピルは、避妊用と言える許可を取っていません。
成分に海外製品とあまり違いがなくても、「避妊できる」とは言えないのです。
そのため日本の超低用量ピルは、あくまで「月経に伴う症状を解消する薬」として処方されます。
今まで低用量ピルで避妊していて、副作用のひどかった人が超低用量ピルに切り替えるケースが多いです。
生理不順の改善
超低用量ピルは、生理不順の改善が可能です。
女性ホルモンの配合された実薬を規則正しく飲むことで、ホルモンのリズムを整えることができます。
1日1錠を決まった日数で飲めば、消退出血のタイミングも予測できるようになります。
消退出血とは、ピル服用中に起こる生理の代わりの出血です。
超低用量ピルは、生理のタイミングを支配できる薬です。
予定に合わせてずらすこともできます。
旅行前の「いつ来るかいつ来るか」がなくなるのは、かなりの利点になるでしょう。
生理痛の改善
超低用量ピルは、つらい生理痛に効果的です。
生理痛の1番の原因は、「プロスタグランジン」です。
プロスタグランジンは、不要になった子宮内膜(受精卵が育つ場所)を排出する際に分泌されます。
プロスタグランジンの分泌が多いほど、子宮が必要以上に収縮してしまうため、痛みにつながるのです。
超低用量ピルは、そもそも子宮内膜を分厚くさせません。
排出量が少なければ、押し出す力は最小限で十分です。
その結果、痛みが軽減されるしくみです。
重い生理痛は改善できます。
つらいときは無理せず、病院や超低用量ピルに頼ってみましょう。
肌荒れ(ニキビ)の改善
超低用量ピルは、「ホルモンバランスの乱れ」からくる肌荒れ(ニキビ)の治療に使われます。
思春期ニキビはアクネ菌の繁殖が主な原因で、肌を清潔に保つことである程度の対策ができます。
一方、大人ニキビは、疲れや寝不足、ストレスなどによるホルモンバランスの乱れが主な原因です。
原因を取り除くのが難しいため、大人ニキビの方が治りにくいと言われています。
特にUゾーン(顎回りやほほ)は、ホルモンバランスの乱れによりニキビができやすい場所です。
超低用量ピルは、ホルモンバランスを整える薬です。
そのためホルモンバランスの乱れによるニキビによく効きます。
居座り続けるニキビにさよならしたい人には、いいアイテムです。
多毛症の改善
超低用量ピルは、多毛症の改善に有効です。
多毛症とは、異常な量の毛が体に生える症状のことをいいます。
そのうち、女性に男性と同じ毛の生え方(ヒゲなど)が起こる症状を男性型多毛症といいます。
原因は、男性ホルモンの異常な増加がほとんどです。
一般的に、女性の身体にも男性ホルモンが分泌されますが、それが過剰になると男性型多毛症になります。
そういった症状を抑えてくれるのが超低用量ピルです。
ホルモンバランスを整えることができる超低用量ピルは、多毛症の治療によく使われます。
低用量ピルと超低用量ピルの違いとは
低用量ピルと超低用量ピルの違いは、次のものです。
・ホルモンの含有量
→超低用量ピルの方が少ない
・身体への負担
→超低用量ピルの方が少ない
・病院での処方目的
→低用量ピルは避妊目的の処方は可能だが、超低用量ピルは不可能
超低用量ピルは、ホルモンの含有量が低用量ピルよりも少ないため、身体への負担が少ないのが特徴です。
吐き気や頭痛などの副作用が、低用量ピルよりも起こりづらくなっています。
ただ、不正出血(生理以外の性器からの出血)の頻度は超低用量ピルの方が多いので注意しましょう。
病院での処方目的も違いの1つです。
低用量ピルは避妊にも使われるのに対し、超低用量ピルはあくまでも月経困難症(つらい生理痛など)の治療に使われます。
海外製の超低用量ピルは避妊目的でも使われていますが、日本製は国の認可がないため「避妊薬」とは言えません。
たとえ内容は海外製と同じでも、「避妊できる」と言えないのが日本製の超低用量ピルです。
違いを理解し、自分に合ったものを使いましょう。
超低用量ピルの飲み方
超低用量ピルの飲み方は、21錠と28錠の2通りです。
自己管理が苦手な人は、28錠をおすすめします。
どういうことか、それぞれ詳しくご説明します。
21錠の飲み方
生理1日目から毎日1錠、決まった時間に21日間飲む。
その後7日間休む。
これが21錠の飲み方です。
大切なのは、飲み忘れないことです。
忘れた場合は24時間以内にその1錠を飲めば間に合います。
それ以上たった場合、避妊の効果が無くなるので服用は中止です。
次の生理からまた始めましょう。
21錠は習慣がつきにくいため、特に自己管理がカギになります。
飲み忘れないように、メモやリマインド機能を使いましょう。
28錠の飲み方
生理1日目から休むことなく毎日1錠、決まった時間に飲む。
これが28錠の飲み方です。
21錠との違いは、「プラセボ(偽薬)」の有無です。
プラセボとは、有効成分の含まれないただの錠剤のことをいいます。
本来の休薬期間にプラセボを飲むことで、飲む習慣を続けることができます。
プラセボは飲み忘れても大丈夫です。
ただし有効成分を休む「日数」が大切です。
間違うといけないので、飲み忘れたプラセボは破棄しましょう。
有効成分を飲み忘れた場合は、24時間以内に飲まないと避妊の効果はなくなります。
次の生理からまた新しく始めましょう。
日数管理に自信のない人は、28錠の方が安心です。
超低用量ピルの副作用
超低用量ピルは、以下のような副作用が起こる場合があります。
よくある副作用
・不正性器出血(生理でない性器からの出血)
・消退出血(はがれた子宮内膜による出血)
・吐き気、嘔吐
・頭痛
・乳房痛、乳房のはり
・腹痛、下痢
など
重い副作用
・血栓症(血液の塊が血管を詰まらせる症状)
長期使用でリスクが高まる病気
・乳がん
・子宮頸がん
重い副作用は発生頻度が低いですが、変わった様子がないか、毎日のチェックが大切です。
副作用について、より詳しくご説明します。
血栓症
血栓症とは、血液のかたまりが血管を詰まらせる症状です。
以下のような前兆が起こることがあります。
・手足(特にふくらはぎ)の痛み、むくみ、しびれ、はれ
・突然の息切れ、息苦しさ
・頭痛
・胸痛
・急な視力低下
・舌のもつれ
など
上記の症状が出たら、超低用量ピルの服用は中止し、すぐに病院へ行ってください。
その際「超低用量ピルを服用中」と伝えることが重要です。
超低用量ピルによる血栓症は非常にまれですが、きちんと理解しておきましょう。
消退出血
消退出血は、厳密には副作用ではありません。
いらなくなった子宮内膜が剥がれ落ちる、生理の代わりのものです。
休薬期間で起こる普通の出血のことを消退出血といいます。
反対に副作用と言える出血は、不正出血です。
休薬期間でないのにのに起こる出血を不正出血といいます。
特に飲みはじめの1,2か月は不正出血が起こりやすいとされています。
もしそれ以上続く場合は、1度病院で受診しましょう。
超低用量ピルの注意点
超低用量ピルには、併用禁忌・併用注意の成分があります。
一緒に使うと薬の効果や身体に影響が出てしまうので、併用はいけません。
注意点をきちんと理解し、確認したうえで正しく使いましょう。
併用禁忌
超低用量ピルの併用禁忌は、C型慢性肝炎の治療薬です。
具体的な成分は以下の3つです。
・オムビタスビル水和物
・パリタプレビル水和物
・リトナビル配合剤
同じタイミングで使ってしまうと血液に異常が出る恐れがあります。
そのため、超低用量ピルを使えるのは肝炎の治療が終わった2週間後です。
併用注意
超低用量ピルの併用注意は、以下の成分です。
・副腎皮質ホルモン
・ラモトリギン
・セレギリン塩酸塩
・テトラサイクリン系抗生物質
・ペニシリン系抗生物質
・三環系抗うつ剤
・血糖降下剤
・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
・HIVプロテアーゼ阻害剤
・セイヨウオトギリソウ
など
これらの成分と一緒に使ってしまうと、お互いの効果に影響してしまう恐れがあります。
通院中の場合は、医師や看護師への相談は必須です。
安心して使うためにも、しっかり確認しましょう。
その他
その他の注意事項として、超低用量ピルを使ってはいけない人は以下の通りです。
・40歳以上の人
・1日15本以上タバコを吸う人
・心臓、肝臓、肺、血管など臓器に異常があるまたはあった人
・血栓ができやすいまたは血縁者に血栓症患者がいる人
・妊娠中または妊娠の可能性がある人
・乳がんや子宮頸がんになったことがある人
・乳がんになった血縁者がいる人
・原因不明の異常性器出血など女性器に異常があるまたはあった人
・授乳中の人
・高血圧の人
・肥満の人
・テタニーのある人
・てんかんのある人
・手術前4週間、術後2週間、産後4週間の人
など
過去の病気、家族の病気も確認しましょう。
不安は先に解消しておくと、その後も安心して使えます。
超低用量ピルの入手方法
超低用量ピルの入手方法は病院処方か通販(個人輸入)の2種類です。
2つにどのような違いがあるのか、詳しくご説明します。
病院処方
病院処方の利点は、医師の指導のもと超低用量ピルが使えることです。
具体的には次の通りです。
・安心感がある
・わからないことは解消できる
・安全に使えるか問診してもらえる
プロの視点で正しい判断をしてもらえるため、安心して服用できます。
自己判断が怖い人には、病院処方が安心です。
一方の問題点は次の通りです。
・病院へ行く手間がかかる
・受診料や処方料を含めるとやや高い
「忙しい」「婦人科は行きづらい」という人も少なくありません。
オンライン診察ができる病院もありますが、どうしても人とのやりとりが必須です。
そして超低用量ピルは毎日飲むものです。
薬代に受診料、積み重なると家計をじわじわと圧迫します。
「安全なら、時間とお金は惜しまない」という方は病院処方がおすすめです。
通販(個人輸入)
超低用量ピルは、通販でも購入できます。
厳密にいえば、海外から個人的に商品を取り寄せる、「個人輸入」という方法です。
自分で使う分を、ルールを守って購入することは法律上問題ありません。
通販の利点は、なんといっても「手軽さ」でしょう。
具体的には次の通りです。
・誰にも知られずに注文が可能
・いつでもどこでも注文が可能
・安い
超低用量ピルの使用は、とてもパーソナルなことです。
人とのやりとりも他人の視線も、嫌な時がありますよね。
通販はそうしたわずらわしさが一切ありません。
また、通販は受診料がかかりません。
病院だと初診で平均3100円かかるところ、通販では平均2100円で済みます。
一方の問題点は次の通りです。
・すべての判断が自己責任
・偽物がある
通販で注文する過程に、医師はいません。
すべて自己判断です。
また、通販の商品にはまれに偽物がまぎれています。
本物かどうか、「見極め」が必要です。
そこで、おすすめの「本物サイト」をご紹介します。
こちらです。
・お薬なび
・ライフパートナー
これらのサイトは良い評判が多数あります。
サイト内における薬の説明も丁寧です。
利用者も多く、特にお薬なびはたくさんの口コミを見ながら選ぶことができます。
忙しくて、手軽さを求める人はだんぜん通販です。
超低用量ピルを使った経験があり、どんなものかわかっている人には特に使いやすいはずです。
超低用量ピルの種類
超低用量ピルは、国内外で多くの種類があります。
ここでは、次の3種類をご紹介します。
・ヤーズ
・ロエッテ
・フェミロン
自分に合うものを探してみてください。
ヤーズ
ヤーズは日本の病院でも処方される、超低用量ピルの代表格です。
詳細は以下の通りです。
メーカー:バイエル薬品(日本)
病院価格:平均3100円
通販価格:平均2700円(送料1000円前後)
通販で販売されているヤーズは、ドイツのバイエル社が製造しています。
有効成分のドロスピレノンにより次の特徴があります。
・副作用が少ない
・むくみにくい
・血栓症のリスクがやや高い
血栓症→血液が固まり血管を詰まらせる症状
ヤーズは休薬期間が4日しかありません。
そのためホルモン量の変化が少なくなり、下腹痛や頭痛が起こりにくくなります。
これがほかの超低用量ピルとの大きな違いです。
ロエッテ
ロエッテは、病院処方の低用量ピルであるトリキュラーと同じ成分の超低用量ピルです。
トリキュラーは成分量が3段階の3相性ですが、ロエッテは1段階の1相性となっています。
詳細は以下の通りです。
メーカー:ファイザー社(アメリカ)
通販価格:平均1980円(送料1000円前後)
ロエッテは通販のみの取扱いです。
有効成分のレボノルゲストレルにはこんな特徴があります。
・不正出血が少ない
・男性化症状が出やすい
不正出血→生理以外で性器から出血すること
男性化症状→ヒゲやニキビが生えやすくなること
ロエッテは主に避妊のために使われます。
フェミロン
フェミロンは、ニキビの改善にも効果的な超低用量ピルです。
病院処方の低用量ピル・マーベロンと同じ有効成分が含まれています。
詳細は以下の通りです。
メーカー:MSD社(アメリカ)
通販価格:平均1980円(送料1000円前後)
フェミロンは通販のみの取扱いです。
有効成分のデソゲストレルにはこんな特徴があります。
・男性化症状が出にくい
・副作用が少ない
・血栓症リスクがやや高い
男性化症状→ヒゲやニキビが生えやすくなること
血栓症→血液が固まり血管を詰まらせる症状
マーベロンを使っていたけど副作用が気になったという人には特におすすめです。